電気ビル物語Vol.16 松村外次郎「幼児の鹿之助」:その1

電気ビルにいつの時代からかひとつの彫刻が大事に置かれていました。わたしたちは庄川町が生んだ彫刻家、松村外次郎の「鹿と少年」と伝え聞いていたものです。
電気ビルにおいでになるVIP専用室に長きに渡り鎮座していました。
そんなある日、能登地震が発生しその彫刻が絨毯の上に落下しました。しかしながらほとんど傷も受けずに大事に至らずに安堵しておりました。一応大丈夫かどうか見てもらおうと知人の紹介で井波の彫刻家の笹川むもん氏に像を見てもらいました。少しの傷があったのですが、修復してもらい戻ってきたことを記念してもう落ちないようにしっかりしたショーケースを作り南ロビーに移設しました。まして、笹川氏には台座も製作いただき更に重厚さも増し像としての安定もしました。
そのときに笹川氏より「これは松村先生の1939年の制作で幼児の鹿之助という題です。」と伺い、初めて本当の「題」を知ることになりました。
そのとき、急に松村外次郎先生のことをもっと知りたくなりました。まずは井波へ行こう・・・と。

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