電気ビルレトロな仲間たち:Vol.5 手彫りの椅子
電気ビルには2つの不動のものがあります。
一つは地下の時計。もう一つは、この椅子です。4階北側エレベーター前にあります。
語られているのは、作者が不明の手彫りの椅子でホテル時代のころからここに鎮座しており誰もが動かすことが出来ないということです。73年間の歴史が、この椅子を風景化してしまったのでしょう。
よく見ると、羊さんの顔に見えます。ヨーロッパのリゾートホテルにはよく守り神として羊など動物の彫り物が飾られていますがその精神でしょう。富山に投宿された人々の安全な旅を祈る椅子です。場所から見てもホテルのフロント前にある腰掛椅子の役目も果たしていたのでしょう。
皮を鋲打ちされた座は見た目よりもずっとやわらかく、チョット小ぶりなのですが座ってみるとフィット感が素晴らしいです。是非腰掛けてみて下さい。昭和の風景が思い出せるかもしれませんネ。