電気ビル物語Vol.17 松村外次郎「幼児の鹿之助」:その2

後日、笹川氏と一緒に早速松村外次郎記念館庄川美術館へ出かけました。館長の計らいにより館内をご案内いただき、松村先生の数々の作品を見せていただきました。どの作品も力強く、そして愛らしく感じ取れました。パリへの留学が氏の作風に大きく影響を与えた旨のお話もうかがいました。

電気ビルにも松村氏の木彫刻があるお話をして写真を見ていただいたところ、当館にも同じもののブロンズがあるとのお話し。厳重なる美術品庫の中にご案内いただいたところ同じ形のブロンズ像があり、驚き直ぐにシャッターを切りました!(本当は禁止なんですが・・・)館長もこのブロンズ像の木彫刻があることに驚かれました。いつ電気ビルに「幼児の鹿之助」が収められたかは不明ですが、山田昌作が多くの県内の美術家を支援していた話は有名な中で、きっと松村外次郎も支援しており電気ビルが完成したお祝いに贈っていただいたのではないかと想像します。松村先生がパリに留学し帰国したのが昭和9年、電気ビルの完成が昭和11年。チョットつじつまが合ってきたのが少しうれしくなってきました。(若干強引ですが)

館長のお話では、ブロンズで細かく表現できない点をきっと木彫刻にして現しておきたくて、一番大事にしてくれそうな人に渡したのではとのお話。とても納得もし、その責任の重さにいまさらながら身震いしました。しっかりとしたショーケースの中に入れれたこと、いまさらながら安堵しています。
改めてこの二つの像が、四つの均等な三角形で構成され、その中心がしっかりとしたからだの芯と合致している幾何学的に計算された像に感嘆します。

※写真は松村外次郎庄川美術館さんの好意で撮らせていただきました。貴重な像なので、今は一般公開はされていないそうです。

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